2025/06/27

文科省およびこども家庭庁への要請

 2025年6月2日

オンラインで文科省およびこども家庭庁に、辰巳議員仲介で要請を行いました。

高槻市教育委員会がすべての小学校中学校を廃止して義務教育学校に再編するための審議会を設置しているが、この審議会設置と審議内容が市民に周知されておらず、市民の声を聞いて高槻市の教育政策変更についての合意形成を図る努力が全くされておらず、子どもの意見も聞いていないことについて、政府見解を質すというものでした。

文科省は、「この審議会は高槻市が子どもの教育政策改善を図るために設置したものと理解している。市民への周知や意見聴取をどのように行うのかは自治体が考えるものであり、政府としては見守りたい」と表明しました。

こども家庭庁は、「こども基本法第11条に基づき、こども政策を検討するにあたってどのようにこどもの意見を反映するのか、一義的には高槻市の役割である」と表明しました。

これに対して、高槻の義務教育を考える会の山下代表は、高槻市の小中学校59校を18の義務教育学校に再編するもので、12名の審議委員が10回程度で答申を出そうとしている。市民は知らされていない。審議会は義務教育学校再編を支持する意見ばかりが出され、問題点を深める議論は全く行われていない。市民の合意形成が図られていない、子どもの意見も聞いていないと指摘。

文科省は、「手引きを出している。合意形成が必要。今後、周知、意見聴取は検討されると思う。自治体が検討するべきもの」。

こども家庭庁は、「こどもの意見は聞かないといけない。誰に、どのタイミングで、どの頻度では様々で自治体で検討されるべきもの」。

新谷事務局長は、教師、こどもが知らされていない、意見も聞かれていない。PTA、校長も委員になっているが、市民は審議会委員に会えない、資料も渡せない。

義務教育学校は2500人規模が2校、8割が1000人規模になる。これで適正規模と言えるのかと質問。今後人口減少しても、45学級の規模になると指摘。

文科省は、「18学級から27学級を標準とする指針を出しているが、地域の実情に応じて検討されるべきもの」。

山本先生が、つくば市の例を出して、2023年に巨大な義務教育学校が原因で不登校がトップになって、検証し今後は新設しないと決めた。政府は知っているか。大規模な義務教育学校についてのデメリットも示すべき。

文科省は、「知らないが不登校が増えていることについては把握し検討していきたい」と表明。

山本先生が、全てを義務教育学校にするのは明らかに高槻市の教育政策の転換であって、審議する前にも合意形成が必要で、義務教育学校とは何かも知らせるべきと指摘。

文科省は、「審議会は検討中であり、終わってどのような形で意見を聞くのか、自治体が検討されるべきもの」。

こども家庭庁は、「11条に基づいて、自治体が検討されるべきもの」。と見解を表明しました。

石原さんは、審議会の検討の中で義務教育学校のメリットもデメリットもしっかり示して議論すべきだが、それがされていないと指摘しました。

辰巳議員は、2500人規模の学校など、つくば市の経験を見てもゆゆしきもの。このような巨大な学校を設置することの問題点を政府はしっかり把握し対応するべきとコメントしました。

今回の政府要請を経て、「高槻市教育委員会の審議会は市民の合意形成を経たものではなく、こどもの意見表明権保障が完全に欠落したものだ」ということが確認されました。仮に審議会答申が出されても、これが高槻市での全校義務教育学校化計画にお墨付きを与え、ゴーサインを出すものにはならないことも明らかになりました。

高槻市学校教育審議会への要望書

2025年6月

高槻市学校教育審議会会長 様

高槻の義務教育学校を考える会

現在おこなわれている高槻市学校教育審議会の会長という重責を、学識経験者として勤めておられることに敬意を表します。

私たちは、毎回の審議会に傍聴させていただいておりますが、審議会の在り方についてぜひ先生に熟慮していただくように、失礼ながら文書でお届けさせていただきました。

そもそも高槻市は、小中一貫教育の推進の取り組みを進めておりましたが、高槻市立第4中学校区の小学校と中学校の統廃合による施設一体型小中一貫校建設が、保護者や住民の反対により、市長が市議会でいったんこの計画は立ち止まると、凍結をされました。その後、統廃合による小中一貫校の建設計画は、市民や学校関係者には知らされず、いきなり昨年の3月議会で、市長から義務教育学校設置に向けた学校教育審議会の設置が提案され可決されました。そして、5月に第1回学校教育審議会が開催されました。

しかし、市民には広報誌である「たかつきDays」では、義務教育学校の設置のための審議会を設置したことは一切知らされていません。またそれ以降も審議会の開催日と傍聴可能と、「たかつきDays」で告知されるだけで、義務教育学校設置のためであるという審議会の目的すら、市民には知らされていません。ましてや、すべての小中学校を中学校区単位で新たに18校の義務教育学校にするための審議をされていることすら、知らせていません。教育委員会は審議会の議事録をHPで公表しているとしていますが、HPに議事録を載せていることを全く市民に知らせていません。私たちのような傍聴している一部の者しか知りえない形で、審議がすすめられ11月に答申が出されることに疑念をいだいています。

審議会の審議内容についても、6回目までは義務教育学校設置に対する疑問も問題点も十分に審議されていませんでした。第1回審議会では、連携型小中一貫教育の成果と課題が出されましたが、それ以降の審議では今までの成果をさらに生かすために、義務教育学校設置ありきで審議が進められてきたように思います。その時、示された課題である「不登校児童生徒数の大幅な増加、とりわけ低学年の不登校の増加」「教育格差(学力格差)の拡大」「地域連携のさらなる活性化」については、その後一度も審議検討されることなく進んでいます。さらに豊中市のさくら学園に視察に行かれていますが、その建設費や建設に至るまでの経緯については報告されませんでした。義務教育学校設置の答申が出たとしても、建設費や統廃合による新校建設計画、どういった経緯でどの校区から準備を進めるのか、課題は山積です。

第7回審議会ではじめて、統廃合による廃校になった跡地利用の問題や、災害時の避難場所としての在り方、通学区域が拡大することによる通学路の安全確保、2000人を超える大規模な学校ができることについての不安、市民から義務教育学校にたいする不安の声が上がっていることなどが出され、会長自身から「デメリットも含めてもう少し審議を深める必要」についても言及されています。

私たち義務教育学校を考える会として先般、文科省とこども家庭庁に対して、高槻市学校教育審議会の審議の在り方や情報提供の不備、住民・子どもの意見を尊重して審議に生かす必要性などについて直接問いただしました。文科省は「学校統廃合を含む学校教育の再編成を行うときは、必ず住民合意が必要だ」。こども家庭庁は「子ども施策に関わることは、必ず子どもの意見表明権を保障する必要がある」と回答しています。この回答を受け、ぜひとも答申に向けた残された審議会で、国の意向を反映したものになるように審議を進めていただきたいと思います。さらに答申後の具体的計画策定の時にも、国の意向を反映したものになるようによろしくお願いします。

2025/06/02

学校教育審議会内部でも疑問の声が続出


 5/30の学校教育審議会では、今までと違い、義務教育学校を設置したら、

  • 児童生徒数がどうなるのか?
  • 学級数はどうなるのか?
  • 通学距離は?
  • 通学の安全は守れるのか?
  • 廃校となった跡地はどう活かすのか?
  • 住民の災害避難場所はどうなるのか?

などなど多岐にわたる疑問や意見が出されました。

ある委員は、「住民が不安に思っている」と紹介していました。

最後に委員長が、「デメリットも含めて資料を用意してもらって、もう少し審議を進められないか。11月に答申を出すことを、再検討できないか?」と、まとめました。

今まで私たちが、疑問を投げかけてきたことの影響が出ていると思います。